【ポワン・エ・リーニュ】レジェルテ:プルースト効果でハイジを想う食パン
ちゃんと食べてます、という定期報告?も兼ねて、おやつではないのだけれど【POINT ET LIGNE】ポワン・エ・リーニュの食パン、レジェルテについて少し。マルセル・プルースト『失われた時を求めて』では少年が紅茶に浸したマドレーヌを口にした瞬間かつての記憶を想起するわけですが、私はこのパンを食べると『アルプスの少女ハイジ』を思い出します、というお話。
おなじみの紙袋。安心。
じゃーん。レジェルテ、750円也。
断面の写真がないのは、まだ温かかったから。中はまっしろできめが細かく、いつまでも見ていられる美しさ。食パンは一時期ブームのようになったけれど、他のお店のものには心揺れず。というのもこれが完璧に満たしてくれるから。
マスカルポーネを練りこんでコクを出したというふわふわの生食パン。ポワン・エ・リーニュで1番好きなパン。小麦粉の香りがとにかく良くて、思い切り深呼吸したくなる。昭和のツッパリはシンナーを吸ってたけど、あんな感じでレジェルテの匂いを吸い込んだら平和が訪れそう。
トーストしてもおいしいと勧められるのだけれど、考えてみたら一度もトーストしたことがない。そのままで美味しいので、気づいたら跡形もないのだ。いつかは挑戦してみたい。おいしかったー。ごちそうさまでした。
おまけ。プルーストのマドレーヌのくだり、有名すぎるほど有名ですが、あれ最初私はマドレーヌを紅茶に浸すのかあとそっちが気になってしまって…。カリカリやサクサク食感が好きなので、コーンフレークなんかも牛乳はさっとね。浸ってしっとりは苦手。海の向こうの絵本や物語にはよくクッキーを牛乳に浸したりする場面があって、その度にぎょっとして物語世界から一回現実に戻される感じがありました。
さて。とある匂いによって記憶が呼び覚まされることをプルースト効果とも言いますが、レジェルテは私にハイジの白パンを思い出させるのです。
ハイジはペーターのおばあさんのために、食事の度やわらかな白パンを取っておいて、タンスにしまっておくのです。
これは講談社『少年少女世界文学全集』24巻ドイツ編7。宝物。これだけは実家から持ってきていて手元に置いてある。どうしても読みたくなった時だけそうっと開く。見ての通り、開いただけでもうボロボロと壊れそうなので。
フランクフルトのお屋敷からアルプスに帰りたいと毎晩お願いしているのに叶わないハイジはお祈りを止めるのだけれど、それをクララのおばあさまに諭される。神様は願いを最適なタイミングで叶えてくれるんだって。これは子供のころからずっと心に留めている言葉。