【鶴屋義信】柚餅(ゆうもち):和三盆糖たっぷりの柚子がさわやかな求肥

求肥が好き。あんみつで白玉の隣にそっと添えられていたり、脇役の印象が強いですが、主役級に好き。大きな平たい求肥を贈られたら、端っこから好きな形に切り取って食べてみたいな、と考えたりします。【鶴屋義信】柚餅はそんな求肥好きを満足させてくれる一品。

柚餅(ゆうもち)、540円也。
百貨店でよく見かけるのはこのパックが二つ入っているもの。今回は歌舞伎座のお土産処で一つから購入。
昭和天皇お買い上げの品として知られているかな。

こんな風にパックされています。

和三盆糖がたっぷり入っていますので、ビニール包装を剥がすときはそうっと、そうっとね。

お皿に取り出したのがこちら。
2×2×1㌢くらいのやわらかいおもち。パック詰めされている間にひしゃげているものも。柚子の香りが爽やか。口に入れた印象は、さくっと入ってふんわりゆるやかにやわらかい和菓子。歯切れのいい求肥。和三盆糖の甘さがちょうどよく大好きなお菓子。
【鶴屋義信】には美味しいお菓子がたくさんありますが、柚餅は1868年創案のお菓子だそう。滋賀羽二重糯でつくる秘伝の求肥。滋賀羽二重糯はまぼろしの糯と言われているけれど、老舗ではみんなこぞって使っているからあまり「幻」感がないのですが、これを使ったお菓子はとても美味しい。柚餅は戦時京菓子18種にも選ばれたのだそう。こういった和菓子の逸話を読むのも楽しみの一つ。