マーベラス「決めてくれ。殺るのか?ヤルのか?」

 アンナは幼いころ家族を惨殺され一人生き延びたところを殺し屋のムーディに拾われる。それから師弟、相棒として裏社会で確固とした地位を築いてきたが、ある日ムーディが何者かに殺される。アンナは復讐に乗り出す…。
 原題はThe Protégéで被保護者、子分という意味。邦題はマーベラスで素晴らしいという意味。予告では超一流と訳されていた。

©2021 Makac Productions, Inc.

ずいぶん前になりますが公開初日に観に行きました。製作が『ジョン・ウィック』のスタッフと聞き、予定を確か変更したの。ジョン・ウィック同様、主人公がきちんとかっこよくて大変満足いたしました。
主人公アンナを演じるのはスージーQ。アクションもこなすし、知的な感じの美女ぶりも、また男装してホテルスタッフとして潜入している姿もすべて絵になる人。
黒幕のボディガードとして敵対する殺し屋レンブラントと恋仲になるのだけれど、初め誰だか思い出せなかった。エドガー・アラン・ポーの匿名で書いた詩を去り際にすっと暗唱して見せるさりげないインテリながら強い人。ちょっと殺し屋にしては老けてるかなあとあまり好みのおじさんでもないので思ったり。途中でやっと「あーバードマン!マイケル・キートンかー」とわかってからは、だんだん味があるように見えてくるから不思議。

見どころはやはりスピーディーな展開派手で正確なアクション、かな。主人公が師を亡くしてから一匹狼的で無双な格闘力を見せつけるので、窮地に追い込まれてもこりゃ死なないなと安心感を持って見ていられます。ジョン・ウィックと同じ。そういえば彼は犬を大事にしていましたが、アンナはでした。

ベトナムが舞台。街を行く市民もスリム市場や裏通りは猥雑で、アジアなんだけどエキゾチックな空気感がマッチしていた。以前中国が資本参加する作品が増えて舞台となる場所に無理やり感があったりと辟易していたので、アジアがスクリーンに映し出されると警戒してしまう。日本だとなんちゃって東京ばかり描写されるしね。一時期モロッコが舞台として多用されていたが(バザールでカーチェイスして果物の山をひっくり返すとか)、最近はベトナムなのかな。よく見かける気がする。異国感溢れていて世界観がよかった。

気に入った台詞

お気に入りの台詞を選ぶ前に、好きなシーンについて少し。
レストランでアンナとレンブラントがテーブルの下で互いに銃を向けて話すところ。音だけで銃の種類を当てたりして。そのときレンブラントが銃の反動がどうのこうの(専門的な用語で)言ったので、ひょっとして彼がムーディーを浴室で吹っ飛ばした?とかちょいちょい疑惑を持たせながら話が進行するのもよかった。

で、今回選んだのは、格闘しながらも惹かれあっている二人なのでレンブラントがいう台詞。
「決めてくれ。殺るのか?ヤルのか?」
そのあと二人はベッドになだれ込む。気の利いた誘い方だなと思うけど、自分だったら寝首を掻かれそうで背中は見せられないかなあ。
次点二つ。
「ムーディは美しかった。彼には美学があった」
“It is rare gift to have a friend who trusts you enough not to try and help until you ask"

ちょっと気になったこと

些細なんだけど気になったことを書き留めておく。公開してかなり経っているのでネタバレしてしまうけど。
ムーディは結局生きていたけれど、巻き添えになって殺し屋の襲撃にあった奥さんがいい人だっただけに不憫でならない。
あとマイケル・キートンは紳士的な殺し屋という線はいいけど、ちょっと年いっててそんなにタフに格闘できないでしょうって気がしてしまったなあ。

でも面白かったのです!(強調)