【パティスリージュンウジタ】ベラベッカ:洋酒とスパイスの馥郁たる香りに包まれフルーツとナッツがぎゅぎゅうっと
先ほどピンポンが鳴ってもう打ち止めにしたと思っていたシュトーレンが届きました。わーい。さておき、この時期店頭にシュトーレンと並んでいて、気になっていたのがベラベッカ Berawecka(洋梨のパン)です。パン・ド・ポワールとも呼ばれる、仏アルザス地方の伝統菓子。日本橋高島屋のTHE BEST CHOICEで見かけたのでとうとう手を出してしまったよ、というお話。【Pâtisserie Jun Ujita】パティスリー ジュンウジタのベラベッカを選びました。今年食べた中で1番好きかも!
目黒区碑文谷のパティスリージュンウジタのお菓子。
ベラベッカ、2,592円也。
パカッ。
真っ黒な塊だぞ。発酵菓子と聞いたけどどんな感じだろう。興味津々。
箱の外に出してみる。
このサイズぺろりといってしまうのではとちょっと不安がよぎる。
包装を取り払ってみる。しげしげと眺める。
スパイスとブランデー?洋酒が混ざり合い複雑な妙なる香りが漂う。好みの予感。
真上からもしげしげ。つるんとした厚紙に乗っている。
サイズは10.5×4.5×高さ3.5㌢に収まる塊。
ぎっしりとナッツやドライフルーツが見える。ぼこぼこ、こんもり。
ナッツとフルーツの堅めのパンなんだけどパン生地が極端に少ないものをイメージするといいかも。
じゃーん!切ってみた。すごい。中身もやっぱりナッツとフルーツばっかり。つなぎはほとんどなし。
切るとき、もちーっとなる。
薄くスライスして食べるといい、という意味がよくわかりました。とにかく濃厚で大満足の一切れ。
角切りの洋梨を筆頭にいちじく、プルーン、レーズンとドライフルーツがたっぷり。そこにピスタチオ、くるみ、アーモンドとナッツがどっさり。もっちりしたつなぎにぎゅうぎゅうにひしめいている。ぷつぷつコリコリもっちりと食感を楽しみながら、甘酸っぱいフルーツがスパイスと洋酒でさらに美味しさが増幅されて至福のおやつの時間。わー、これはものすごく好み。薄い一切れでかなり満足なので、これは大事に残りを食べようと思う。おいしかったです、ごちそうさまでしたー。
ベラベッカはキルシュを使うものが多いようだけれど、こちらは洋梨のブランデーを使用しているのだそう。ポワン・エ・リーニュでシュトーレンを買ったとき、お店の人が隣のベラベッカを好みだと思うとお勧めしてくれたのだけれど、あーあれも買っておけばよかったーって今更。来年はベラベッカを色々食べ比べしようって言ったら鬼が笑うかな。
仏アルザス地方と聞くと、国語の教科書に載っていた『最後の授業』を必ず思い出す(先生が最後に黒板にフランス万歳と書くところね)のだけれど独仏国境にあったため領有権争いに巻き込まれてきた歴史がある。シュトーレンはドイツ菓子、ベラベッカはフランス菓子で、それが遠い日本の地でこの時期人気で競合しているなんて不思議な感じがする。
ちなみに現在、教科書にはもう『最後の授業』は載ってないのだって。えー。「フランス万歳!」と言って通じないのー?フランス万歳以前/以降と世代間に溝があるのか?
「ひとつだけちょうだい」の『一つの花』や『ごんぎつね』『手袋を買いに』はまだ読み継がれていると聞いて一安心。
個人的に教科書の話で一番印象に残っているのは『真実の百面相』。大森荘蔵だったか。読みたい。